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大学院保健学専攻(後期)

大学院保健学専攻(後期)理念

大学院保健学専攻は、看護科学、医療科学、リハビリテーション科学の基盤的研究を究めるとともに、保健学の総合的研究および学際的研究を推進し、21世紀の保健学を先導する知の創成と新しい学問領域の形成を行います。

これらを通じて、豊かで幅広い学識と高度な問題解決型思考能力を有する指導的高度専門職業人、並びに高度な研究能力を持つ国際的研究者・教育者を育成し、保健学の発展と人類の健康と福祉の向上に寄与します。

入学者受入方針

入学者受入方針(→PDF)

設置の趣旨・目標

我が国においては,出生率の低下と高齢者人口の増加によリ,急速に世界に類をみない速さで少子高齢化社会が出現しつつある。人口構造の変化や現代の生活習慣の変貌は疾病構造を変化させ,生活習慣病(代謝症候群),癌,認知症や多臓器障害を持つ患者,重症患者の増加がもたらされた。

このような超高齢化社会においては,疾病構造の変化に対応するのみならず予防医学,健康増進科学,慢性疾病を持った患者の社会復帰,介護などの包括的な保健医療福祉の理論の構築と実践および研究者・教育者の養成が重要な課題となっている。

さらに近年の医学・医療の進歩は目覚ましく,遺伝子診断・治療,医用工学,臓器移植や再生医療などの先端的な医療の開発が進められている。一方,国民の生命観,倫理観の変化や保健医療に対するニーズの多様化がみられ,その再構築も重要な問題となっている。すなわち,高度先端保健医療の開発とともに,生命の尊厳と保健医療に対する倫理観と責任感に基づく全人的保健医療が求められている。また,種々の医療分野の専門職が連携し,高度の医療技術を駆使したテーム医療の構築が必要となっている。

このように,保健学領域において高度先端保健医療の開発能力と高度先端医療技術を有した医療人,研究者・教育者の育成と,新たな人間観,倫理観に基づいた保健医療福祉の理論の再構築が求められている。

21世紀を迎え保健医療福祉の高度先鋭化,総合化が求められている。特に予防医学,先端的医療およびケアを中心とした看護科学の分野,診断・治療・予防の情報を提供する医療科学の分野,慢性機能障害への対処や生活習慣の制御を中心とするリハビリテーション科学の分野においては,高度な専門的知識・技術と課題探求能力を修得した全人的医療を担える高度専門職業人の養成と,科学技術の進歩に見合った学際的でより高度な専門知識を有し,新しい保健医療福祉の開発能力のある研究者の育成を緊急に行う必要がある。

本専攻大学院では,これらの社会の緊急の要請に応え看護科学,医療科学,リハビリテーション科学における学問の体系化を行うとともに,国際的にも活躍できる教育者・研究者および指導的な高度専門職業人の育成を目指すものである。

また,平成17年度より,大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻の教育研究の高度化を図るため,大学院に重点を置いた研究教育組織に改組(大学院の講座化)を行った。より質の高い保健学教育・研究の核となるとともに,医薬保健学総合研究科医科学領域,自然科学研究科や社会環境科学研究科と相互の連携を強め,学際的,総合的な保健学研究の推進を目指している。

大学院保健学専攻(後期)設置の具体的目標

  1. 保健学に関する豊かで幅広い学識と高度な研究能力を有する研究者を育成する。
  2. 看護科学領域,医療科学領域,リハビリテーション科学領域が協力し,複雑化した保健医療福祉の重要課題に柔軟かつ多面的に取り組む教育研究を行う。
  3. 従来の保健学分野や技術領域に属さない新しい分野および境界領域分野の重要課題に対する教育研究を行い,先端保健医療福祉に関する情報の発信と共有化の担い手となる人材を育成する。
  4. 環日本海域や国際社会に貢献できる教育・研究者を育成する。
  5. 保健医療福祉の高度専門化の社会的ニーズに対応するため,課題解決能力,研究能力のある指導的社会人の育成を行う。

学位

博士後期課程を修了した者には,博士の学位を授与する。博士の学位に付記する専攻分野の名称は「保健学」とする。

学位論文審査基準(→PDF)