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自殺対策に関する国際シンポジウムの開催報告

金沢大学で採択された地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)の一環として、世界自殺予防Dayならびに自殺予防週間の趣旨にあわせて自殺予防に関する普及啓発や学際的な研究の推進のためにシンポジウムを開催しました。

 

9月5日(土)は「自殺対策の正しい知識を学ぶ国際シンポジウム」というテーマで、日本橋ライフサイエンスビルディングからオンラインで配信しました。全国から、350名(金沢大学教職員・学生、保健医療福祉従事者、教育関係者、報道関係者、研究者、市民)の方にご参加いただきました。

 

本学リサーチプロフェッサーのSandersan Onie博士 (Harvard Medical School・WHOコンサルタント・国際自殺予防協会副理事長)より、「自殺に関する正しい知識」として、自殺した人の65%が事前に支援を求めていないこと、そのため自殺対策では個人の支援から公衆衛生や健康の社会決定要因にわたる多元的な支援の重要性が説明されました。厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)の清水康之様からは「こどもの自殺の実態と対策の現状」として、自殺対策の推進によって自殺者数は減少している一方で子どもの自殺は増加していることから、国レベル、地域レベルの政策の連動性の担保によってこどもへの包括的な支援体制の重要性が説明されました。さらに、JSCPの山寺香様からは「WHOガイドラインと日本の自殺報道の変化」として、報道の目的は、報道によって自殺リスクを高める「ウェルテル効果」を最小化し、自殺を抑止する「パパゲーノ効果」を最大化することが説明され、過去40年間の報道のあり方の変化と成果が紹介されました。

 

参加者の皆様よりたくさんの重要な質問をいただき、自殺は単なるメンタルヘルスの問題ではなく、人間の尊厳にかかわる問題であり、自殺を防ぐために、私たち一人ひとりに何ができるかについて考える機会となりましたことに感謝申し上げます。

 

 

9月12日(土)は、「メンタルヘルスと自殺対策に関する国際シンポジウム」というテーマで、金沢大学保健学類1号館1220室を会場として開催しました。会場には、50名(金沢大学教職員、学生、保健医療福祉従事者、市民)の方がお越しくださいました。

 

開会の挨拶として、保健学系長毎田佳子教授より金沢大学ならびに地域全体として命を守る力を高める機会としたいこと等主旨の説明の後、4人の演者の先生方にご講演いただきました。

 

河西千秋先生(札幌医科大学教授・日本自殺予防学会副理事長)の基調講演では、地域および医療機関での自殺対策の制度化に貢献してこられたご実績から、専門職をはじめ地域の様々な人々に向けた自殺対策の技術を習得するためのプログラムの実践と効果が紹介されました。Sandersan Onie博士の講演では、自殺対策を社会全体の課題として実装するための視点として、デジタルメンタルヘルスや精神保健・公衆衛生・国際保健の融合した取り組みが紹介されました。小山達也先生(東京医科大学看護学科)の講演では、自殺予防のためのケースマネジメントや地域での対策ならびに支援者支援の視点が紹介されました。菊知充先生(本学医学系精神行動科学教授)の講演では、能登半島地震被災地の支援ならびに臨床研究から開発された子どもの孤独のスケールの紹介や子どもにとって無視されているという感覚にならないような環境の重要性が説明されました。

 

質疑応答では、先住民や移民の自殺対策、救命センターでの自殺対策、子どもの自殺予防、AIと自殺対策など世界の重要な課題について多様な視点からディスカッションができました。

 

最後に、保健管理センター足立由美教授より、自殺対策を社会全体の課題として地域と連携しながら進めることの意義とご参加いただいた皆様への御礼をご挨拶としてシンポジウムを終えました。本シンポジウムは、多元的な視点から自殺対策を共有でき、皆様と共に各立場でできることを考える機会となりましたことに感謝申し上げます。

 

9月5日(土)の写真

 

9月12日(土)の写真

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